幸せの花束 - 1/2

 外へ出た時、ホロウ調査での移動時、珍しく入った『外勤』の時──様々な場面で最近僕はその姿を見る。小さく丸まった背中、脇に生えた草木に手を伸ばし、何か探すようにしてきょろきょろとする……そんな、蒼角ちゃんの姿を。

「なーにしてんの」
「わぁ!」

 仕事前、休憩中、はたまたプライベートでのお出かけの時に僕が後ろからそう声をかけると蒼角ちゃんは決まって驚いた様子で振り返る。そして時々慌てたように何かをポケットに隠すんだ。えへへ、と笑いながら。

「もーハルマサびっくりさせないでよぉ~」
「びっくりさせたつもりはないんだけど?」
「もしかしてナギねえ呼んでた? ナギねえ~!」

 そう言って──ホロウ入り口前で他部署と今日の作戦の確認をしている副課長の元へと走って行ってしまった。残されたのは僕と、道の脇に生えている雑草だけ。
 何でまた草なんていじって遊んでるのか。
 いや、もしかするとあまりのお腹の減り具合にたまらずむしゃむしゃとおやつ代わりに食べていたんじゃ?
 それならちょっと納得する。あの子はそういうところがあるから。でもそれだったら、
「えへへ、お腹減っちゃって」
 とか言って恥ずかしそうにしそうなものだけど。どうもさっきの様子じゃ違うみたい。僕は腕を組んで首を傾げてみる。足元の雑草を見つめながら。

「……ま、蒼角ちゃんの考えてることなんてご飯のこと以外僕には想像もつかないけど」

 そう諦めて僕はホロウへ入っていこうとする仲間たちの後ろをついていった。

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