蒼角と悠真

浅羽悠真×蒼角のお話(全16話)
話的にはver1.4や悠真エージェント秘話よりも後。

※最新話が一番上に来ています。
お手数ですが最初から読む場合一番下までお進みください。

#4 迷子とお迎え

「うう……おねえちゃん、ぼく一人ぼっちやだよぉ……うわあああああん!!」「は、はわわわ、だだだだいじょぶ、だいじょーぶだからね! わーん治安官さーん!!」 ──混雑する街中。 通り過ぎ行く人は皆どこか忙しない。 息つく暇もなく、 そこに紛れ…

#3 猫とビデオ

 六分街にあるビデオ屋の店内は、少しばかり人で賑わっている。そんな中、一番奥のスペースで陳列されているビデオと睨めっこをしている少女が一人。「──うーん、こっちにしよっかな。でもさっきのも面白そうだったし……あ、こっちはパッケージ裏にいっぱ…

#2 サボりと肩の重み

「あーあ、なんてこった」 人一倍大きなため息を吐き、 腰に手を当て頭を抱え、 眉間に皺を寄せる。 浅羽悠真は、とても具合が悪そうな人間を装うようにして壁にもたれた。「どうしたの、ハルマサ!」 蒼角が訊く。 自分のデスクに座る星見雅も、少しば…

#1 お薬とお菓子

「ねぇハルマサ、お薬ってどんな味がするの?」 対ホロウ六課のそれはそれは大変なデスクワークの最中、横に立っていた蒼角が浅羽悠真にそう訊いた。 蒼角の目に映るのは、山積みにされた書類と、幾度も突き返された休暇申請書類の間に置かれた大容量のピル…