#4 迷子とお迎え
「うう……おねえちゃん、ぼく一人ぼっちやだよぉ……うわあああああん!!」「は、はわわわ、だだだだいじょぶ、だいじょーぶだからね! わーん治安官さーん!!」 ──混雑する街中。 通り過ぎ行く人は皆どこか忙しない。 息つく暇もなく、 そこに紛れ…
蒼角と悠真
#3 猫とビデオ
六分街にあるビデオ屋の店内は、少しばかり人で賑わっている。そんな中、一番奥のスペースで陳列されているビデオと睨めっこをしている少女が一人。「──うーん、こっちにしよっかな。でもさっきのも面白そうだったし……あ、こっちはパッケージ裏にいっぱ…
蒼角と悠真
#2 サボりと肩の重み
「あーあ、なんてこった」 人一倍大きなため息を吐き、 腰に手を当て頭を抱え、 眉間に皺を寄せる。 浅羽悠真は、とても具合が悪そうな人間を装うようにして壁にもたれた。「どうしたの、ハルマサ!」 蒼角が訊く。 自分のデスクに座る星見雅も、少しば…
蒼角と悠真
#1 お薬とお菓子
「ねぇハルマサ、お薬ってどんな味がするの?」 対ホロウ六課のそれはそれは大変なデスクワークの最中、横に立っていた蒼角が浅羽悠真にそう訊いた。 蒼角の目に映るのは、山積みにされた書類と、幾度も突き返された休暇申請書類の間に置かれた大容量のピル…
蒼角と悠真