#12 幼き日の記憶 - 5/6

 ――そうだ。
 だから、僕はリンの“お兄ちゃん”でい続けないとって、思ったんだ。
 リンを悲しませたくなくて……無意識に自分にそう暗示をかけていた。
 せっかく約束したのに、僕が反故ほご にしてしまうのか。
 酷い兄だ。

 それでも
 それでも愛してるって、伝えよう。
 このままだと僕はいつかリンに『嫌がること』をしてしまうかもしれない。
 望まれないのなら
 その前に僕から約束を破るんだ。
 リンを傷つけない為に……

 逃げないで、向き合おう。

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