#13 これからも二人で - 4/7

 ビデオ屋の裏にある駐車場に車を停め、エンジンが停止した。
 静かになった車内で、二人はすぐ降りようとせずに座ったまま。

「……リン」
「ん?」
「手を握ってもいい?」
「こないだは聞かないで握ってきたじゃん」
「そうだったっけ?」

 記憶にないと視線を逸らすアキラにリンは呆れたように笑う。

「はい、どうぞ」

 リンは右手を差し出した。アキラはそれを左手で握る。

「はあ……」

 ため息を吐いて、アキラはシートに頭を預けると目を閉じた。

「お兄ちゃん」
「ん?」
「……おかえり」
「うん、ただいま」

 しばらく手を繋いだままで、ふたりは互いに沈黙を許した。

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