#5 夢の中で - 5/5


 ***

 そして、その日の夜のこと。
 僕はとてもおかしな夢を見た。

『ハルマサは、どんなわたしでもいいんだもんね?』

 ――ここは六課のオフィス。
 しかし現実とは違う点がいくつか。
 まず、いるのは僕と蒼角ちゃんだけ。
 デスクの上はすっきりと片付けられていて、
 なぜかその上に僕は横たわっている。

 そしてそんな僕を組み敷くようにして、

 “急成長”した蒼角ちゃんがそこにいた。

『……そ、蒼角、ちゃん?』

 大きな胸が、僕の胸板に押し付けられている。
 むっちりとした太ももが、僕の股の間に迫ってくる。

『わたしがおっきくなっても、好きでいてくれるでしょ?』

 甘く惑わせるような声色が近づいてきて、僕の唇を塞いだ。

『――っ!?』

 ああ、蒼角ちゃんがおかしな夢の話をするからだ。
 僕までおかしな夢に引きずり込まれて……

 ――まさかこの歳になってまで、
 朝パンツの中を見て自己嫌悪するなんてこと……ないよね?


 <了>

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