「え、応援ですか?」
浅羽悠真はげんなりとした顔で月城柳を見た。
「はい、治安局から要請がありました。現在縮小中の共生ホロウ付近の交通整理や安全確認の最中、どうやら少し離れた地域でエーテル反応に異常が見られたようで今後急激に活性化した場合に備えてうちの応援を頼みたいと」
「課長はいないんですか~?」
「課長は……もうすでに修行に行ってしまっていて」
「ちっ、逃げるのが早いな……」
「では浅羽隊員、蒼角を連れて向かってくださいますか?」
「うーんわかりましたよ~。その縮小中の共生ホロウって、今日の夕方にでも消滅寸前のやつですよね? 何事もなく終わると思うけどなぁ。あ、サクッと終わればそのまま直帰してもいいです?」
「だめです」
「ちぇー」
悠真は椅子から立ち上がるとうんと伸びをする。そしてポーチの中身や武器の確認を一通りすると、気だるげに準備を完了させた。
「蒼角ちゃん行くよー」
「はぁーい!」
蒼角も準備を終え、ぱたぱたと悠真の元へと駆け寄っていく。
「治安局の応援かぁ。んじゃ何かが起きるまでは何にもせずに待機って感じですよねぇ。何もしないんだったらいっそコーヒーでも飲んでから行こうかなぁ」
「浅羽隊員、聞こえていますよ」
「おっと今のは幻聴ですよ! それじゃいってきま~す!」
「ナギねえいってきまーす!」
騒々しく部屋を出ていった二人を見送り、柳はため息を吐いた。
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