#13 大人と子ども - 6/6

 ***

 キィ──とゆっくり扉が開いたのは、六分街にあるビデオ屋だ。カウンターに立っていたボンプ──18()()はやってきた客を見て「ンナ!」と声を上げた。

「どうしたのトワちゃん、お客さん……蒼角!」

 店長のリンは入ってきた蒼角に嬉しそうな声を上げた。

「どうしたの蒼角~、お仕事帰りにビデオ借りに来てくれたの? もしかしてまた柳さん待ち? あれ、でもまだこんな時間かぁ。もしかして早上がりだった?」

 リンの立て続けの質問に、蒼角は反応を示さない。

 静かな蒼角にリンは疑問を抱き、首を傾げた。

「蒼角……どうしたの?」

「……プロキシぃ」

「ん?」


「今日、ここにお泊りさせて」

 ──リンは目をぱちくりとさせ、目の前の蒼角を見つめた。

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