短編『街灯の下で笑って』
グレースが学会の立食パーティに参加することになり、そこへビリーを連れていくお話。
機械人は技術屋の夢を見るか?
#6 「最後にそれを見るとしたら」
グレース・ハワードの元へ修理にやってきたビリー・キッドはいつしか心を開いていくようになった。 最初こそ溝があるように思えたものの二人の距離は日を追うごとに縮んでいき、次第に心を通わせるようになる。 機械人と人間という枠を超え、二人は愛を育…
機械人は技術屋の夢を見るか?
#5 「私はね、私なりに君を愛しているんだよ」
「それじゃあダーリン、電圧テストをするからフロントパネルを外していくよ」「ああ……よろしく頼むぜハニー……」 わくわくと楽しそうな様子のグレース。 げんなりとした様子のビリー。 二人は定期検査の為にグレースの部屋で向かい合って座っていた。 …
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#4 「まさかダーリンなんて呼ばれる日が来るとは思いもしなかったぜ……」
「やあ、こんなところで会うなんて偶然だね!」「こんなところでまであんたに会うなんてげんなりだ……」「ええ? どうしてだい? 私は君に会えてこんなに嬉しいのに」 ――ここは六分街、ゲームセンター<GOD FINGER>の入り口前。 ビリー・キ…
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#3 「私と君で可愛い子どもを作ろうじゃないか!」
静かな室内に金属が擦れる音が響く。 この密室の空間にいるのはグレースと、ビリーの二人きり。「んー……なるほどここの摩耗が激しいわけだ。それなら新しいパーツに……」 視界に入るのが邪魔なのか、グレースは黒い横髪を耳にかけた。 その間も真剣…
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#2 「俺は安眠枕じゃねーっつーの!」
これはビリーが修理の為白祇重工へ来るよりも少し前の話――。 現場の仕事を終えた白祇重工社員たちは、週末の予定を話しながら帰り支度をしているところだった。アンドーとベンも例に漏れず、重機を倉庫に片づけながら「明日は朝からジムに行く」だの「経…
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#1 「新しく君の修理担当になったグレース・ハワードだ」
その時は突然やってきた。ビリーが所用から帰ってきた午後、事務所に入るとちょうど電話を終えたばかりのようなニコが彼の方をくるりと向いて笑いかけた。「ビリー! アンタの修理、今回は格安でできそうよ!」「何!? 格安って、いつものとこ部品の半額サ…
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